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(情報統計研究所)
やさしい医学統計手法
はじめに
統計的データが得られたとき,私達はデータの集団としての性質を知るために,一定の手順にしたがって,統計量を計算したり(記述),データの分布の型を調べたり(解析),あるいはそのデータから全体を推定したり,検定したり(推測)します.これを統計的方法と云います.
すなわち,統計をとると云うことはデータに関する記述・解析・推測がなされていなければなりません.数値を羅列しただけのものは,単なるデータの集合にすぎません.
統計をとる手順の第一歩は,データがどの様な型ちをしているか(分布型)を知ることから始めます.データがある集団から無作意にとられたものであれば,データの分布はその集団の分布を反映するはずです.したがって,データの分布が正規型(釣鐘状の美しい分布)であれば,その集団の分布も正規型とみなすことができますので,「パラメトリック統計法」を用います.
もしデータの分布が非正規型(釣鐘状でない歪んだ分布)で,データ変換(釣鐘状の美しい分布に近づける)などの処理によっても正規型が得られないときは,その集団での正規型の仮定は,極めて困難となるので「ノンパラメトリック統計法」の適用を考えるべきです.
またデータの種類によっても,あるいは標本の数とか,標本間の関連などによっても統計的手法が異なるので,それぞれに最適な手法を選択しなければなりません.統計的手法の適切な選択は,統計の結果にもとづく判断と行動を保証するものですので,統計的方法の数学的知識・技術以前の問題として大切です.
そこで,本書では統計的手法の選択を正しく行うための基礎的な知識,考え方について述べると共に,収集したデータの性質に適した統計的手法の選択を容易にするために,フローダイヤグラムを巻末に綴じ込み,系統的に統計の手法を学習できるように配慮しました.
しかし,医学と医学に関連した知識が皆無であり,データへの探求心がなければ,いかに優れた医学的データであっても,そのデータは情報としての価値を持たないでしょう.
すなわち,数々の統計的手法が本書の中に用意されていても,その手法の選択は統計をとる目的に応じて決定すべきであり,唯一これだと云う統計的手法を提示したつもりはありません.
目次
1.データを整理する(
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1.1.統計的データとは....
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1.2.標本と母集団について
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1.3.基本的な整理の仕方..
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1.3.1.度数分布の作り方
1.3.2.ヒストグラムの作り方
1.3.3.正規確率紙の作り方
1.3.4.データ変換の仕方
2.基本的な統計量を求める (
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2.1.平均値と標準偏差について
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2.2.正規分布について........
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2.3.統計量の計算の仕方......
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2.3.1.連続量からの計算....
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2.3.2.離散量からの計算....
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2.3.3.平均値・分散の結合..
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3.比較の考え方を知る(
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3.1検定の問題について.........
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3.1.1.正規分布にかかわるとき
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3.1.2.離散量にかかわるとき..
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3.1.3.検定における2つの過誤
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3.2.両側検定と片側検定について
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3.3.推定の問題について........
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3.4.異常値の棄却..............
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4.百分率を比較する(
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4.1.1標本での検定と推定の仕方
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4.2.2標本での検定と推定の仕方
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4.3.分割表による検定の仕方....
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4.3.1.2×2分割表のとき....
(link)
4.3.2.m×2分割表のとき....
(link)
(a)一般的なとき...........
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(b)傾向を有するとき.......
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(c)対応のあるとき.........
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4.3.3.m×n分割表のとき....
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5.平均値を比較する(
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  5.1.1標本の検定と推定の仕方
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5.1.1.平均値のとき........
(link)
5.1.2.母分散のとき........
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5.2.2標本の検定と推定の仕方...................
(link)
5.2.1.分散比のとき...........................
(link)
5.2.2.平均値のとき...........................
(link)
(a)対応のないとき(パラメトリック検定)....
(link)
(b)対応のないとき(ノンパラメトリック検定)
(link)
(c)対応のあるとき(パラメトリック検定)....
(link)
(d)対応のあるとき(ノンパラメトリック検定)
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5.3.多標本の検定と推定の仕方...................
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5.3.1.対応のないとき(1元配置分散分析).....
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5.3.2.多群間の平均値を比較するとき...........
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5.3.3.対応のないとき(クラスカル・ワリス検定)
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5.3.4.対応のあるとき(2元配置分散分析).....
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5.3.5.対応のあるとき(フリードマンの順位検定)
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6.2標本の関連性をみる...............(
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6.1.相関表の作り方....................
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6.2.相関図の作り方....................
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6.3. 相関と回帰について...............
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6.3.1.直線関係のとき................
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6.3.2.非直線関係のとき..............
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6.3.3.順位データのとき..............
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7.多次元データを要約する..............(
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7.1.予測のための解析の仕方(重回帰分析)........
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7.2.データを2群にわける(判別分析)............
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7.3.データを2群にわける(クラスター分析).......
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7.4.多変量要約のための解析(主成分分析).........
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8.衛生・疫学調査の統計(
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8.1.衛生統計.........
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8.2.疫学統計.........
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9.雑 記(
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9.1.順序カテゴリーによる分割表の出現率の検定について
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9.2. 薬剤効果の同等性の検証について(有効率の場合)
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9.3. 薬剤効果の同等性の検証について(平均値の場合)
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9.4. 主成分分析と因子分析について
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9.4.1. 主成分分析の方法について
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9.4.2. 主成分回帰分析の方法について
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9.4.3. 因子分析について
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9.5. 多重比較法
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9.6. ROCについて
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9.7. スクリーニング検査としてのROC
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9.8. 傾向スコアー法
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10.統計技術(ここをクリック)
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