原著論文:
刀豆に関する研究
− 超臨界二酸化炭素による栄養・化学成分の抽出と分析 −

研究者:江口文子

 刀豆は熱帯アジア、中央アメリカを原産とし、江戸時代初期に日本に伝来し温暖な西日本に広く分布していた。 しかし、刀豆は4m〜5mにも達する蔓性で多数の分枝を出し、生産期間が長く高温を好むなど、また、 青果での収穫期間が短いなど、その栽培の煩雑さや、市場の経済性などから生産者が激減した。
 近年、刀豆に薬効があるとのマスコミ報道によって、興味本位での栽培が増加しているが、本格的な生産栽培者は少ない。 筆者は1977年から、岡山県真備郡真備町において刀豆(ナタマメ)の生産栽培をおこなっている。 筆者が刀豆栽培を続けている理由は、民間療法として伝承継承されており、牧野和漢薬草大図鑑、大和本草巻之四(貝原益軒)や中薬大辞典などに、 去痰・鎮咳・滋養・血行促進・排膿作用・消炎作用・歯槽膿漏・蓄膿症・皮膚炎・痔ろう・中耳炎・鼻炎・咽喉頭炎などの症状改善に効果があると記載されているからである。
 しかし、刀豆の理化学的成分分析に関する調査・報告は少なく、また民間伝承の効用についても現代科学によって証明されているとは言えない。 そこで、今回筆者は刀豆の栄養成分・アミノ酸成分組成、化学成分の分析を最新の超臨界二酸化炭素(超臨界CO2)技術により抽出分析し、刀豆の栄養素と刀豆の特殊化学成分の効用について検討したので報告した。
「ロレンツオのオイル 命の詩」(アメリカユニバーサル映画、1992年)は銀行員の夫妻が子息の難病(ALD:極長鎖飽和脂肪酸値異常)を独自で研究し、単不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の相互作用を解明し、世界のALD患児の命を救った。この功績により医学名誉学位を付与された。この映画は世界中に感銘を与えた名作として人々の記憶に残る。

(画像は映画の一場面)
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